プロ野球“低レベル”打撃タイトル争いの深層…メッツ千賀は数年前からこの状況を予言していた

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野球人口減少も一因か?

 そんな絵に描いたような投高打低を数年前から“予言”していたのが、千賀(現メッツ)である。ソフトバンク時代の22年、地元メディアのコラムで「この先、3割打者が存在しなくなる時代が来ると思っています」と語っていた。その根拠に練習の違いを挙げ、「投手も打者もトレーニング方法や環境は整っているが、打者は打つ、走る、守ると練習量が単純に多い。急速に進化する投手に対応するのは容易ではない。投手は球速や変化球のスピード、変化量とあらゆる数値が上昇している」とした。

 千賀がこの発言をした22年、3割打者はセ4人、パ2人。23年はセ3人、パ2人、昨季はセ2人、パ1人と、徐々に減っている。

 さらに昨季から球界では「反発係数の低い、“飛ばないボール”が使われているのでは?」ともっぱら。NPBや公式球を製造するミズノは否定するが、「打った時の手応えや飛距離が違う」と違和感を口にする選手は少なくない。

 ヤクルト、ソフトバンクでコーチを経験し、母校・拓大紅陵高で非常勤コーチを務める飯田哲也氏がこう言う。

「投高打低は野球人口の減少とも関係があるかもしれません。昔から運動神経の良い子が投手になるケースが多かったが、それでも野球人口が多い時代は他にも身体能力に優れた子が多く、野手のレベルが下がることはなかった。それが現在はスポーツの選択肢が増え、才能のある子が必ずしも野球を選ぶとは限らなくなった。だとすれば、投打の差は開く一方。千賀の言う通り、3割打者はいなくなるかもしれない」

 27年シーズンからセ・リーグでもDH制が導入されるが、打率2割台の首位打者が生まれる日も遠くなさそうだ。

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