新庄日本ハムが王者ソフトBに出鼻くじかれる“痛恨の1敗”…台湾の至宝・徐若熙の獲得ならず
条件面ではドジャースをも圧倒
そんな台湾の至宝を巡って最後まで争奪戦を繰り広げたのが、ソフトバンク、日本ハム、大谷翔平のドジャースだという。
さるセ球団の編成担当がこう言う。
「最も熱心だったのがソフトバンクです。現地報道にもあるように、城島健司CBOが視察するだけでなく、編成関係者が何度も渡台し、徐のパフォーマンスをチェックした。日本ハムも、台湾で三冠王を獲得した王柏融に始まり、23年9月には孫易磊、24年11月には古林睿煬の両右腕を獲得。台湾球界と強固なパイプを築いている。今回も徐の調査を進めていた。最終的に徐は、移籍先をソフトバンクと日本ハム、ドジャースの3球団に絞り、水面下で福岡、北海道、ロサンゼルスを訪問。関係施設を見学したと聞きました」
現地メディアによれば、徐は福岡訪問時に、台湾にルーツを持つ王貞治球団会長と会食するなど好待遇を受けた。
「徐にはメジャー志向がある一方で、まずは日本で経験を積みたい意向がある。3年契約が満了すれば、メジャー挑戦する可能性は十分にある。加えて、24年11月に自身のSNSで結婚と妻の妊娠を公表した徐は今年、子供が生まれたばかり。台湾にいる家族や両親のことを考え、台湾からの距離が一番近い福岡が本拠地という点も、ソフトバンクに魅力を感じたようです」(同)
条件面では、世界屈指の金満球団であるドジャースをも圧倒した。
「ドジャースは『25歳ルール』が足かせとなったようです。徐は11月に25歳を迎えたものの、味全ドラゴンズの在籍年数は5年。MLB球団は在籍6年未満の海外選手とメジャー契約を結ぶことができず、マイナー契約を提示するしかなかった。昨オフ、ドジャースが23歳の佐々木朗希とマイナー契約を結んだ際も、契約金は650万ドル(約10億円)にとどまった。日本の球団はこうした制限がないため、ソフトバンクはドジャースを大きく上回る条件を提示。誠意を見せた格好です」(福岡のメディア関係者)
ソフトバンクは「立地と資金力」で台湾の至宝争奪戦を制したというわけだ。
今回の結果には、日本ハムの新庄剛志監督もホゾを噛んでいるのではないか。今季はシーズン再終盤までソフトバンクと優勝を争いながら、2年連続の2位。CSファイナルステージも3勝4敗で敗退した。1年ごとにチーム力がアップしているのは間違いないが、「(2位は)もういらん。もうよか。もう来年優勝じゃなかっても知らん」と話すなど、来季こそ3度目の正直を果たしたい。
すでに来季の戦いが始まる中、新庄日本ハムは場外戦で手痛い1敗を喫することになりそうだ。
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