「最強打線」はコンタクト率の高い打者と長距離砲との混成ラインアップ
フィリーズの編成本部長のデーブ・ドンブロウスキーも「コンタクト率重視は決して新しい概念ではないが、ブルージェイズやブルワーズの成功は今後メジャーの他球団のチームづくりにインパクトを与えるだろう」との印象を語っている。
しかしながら、コンタクト率の高い選手ばかりを集めればチームが強くなるというわけではない。
やはり一番に求められるのはパワーヒッター、長打を打てる強打者なのだ。今年の移籍市場を見てもフィリーズと再契約したシュワーバーやメッツからFAでオリオールズに移籍したアロンソのように、本塁打を打てる強打者から先に高額契約がまとまっている。
シュワーバーは23年に47本塁打を放つも、打率.197、215三振。コンタクト率という考えからは程遠い選手にも見えるが、チームにとって長打、そこから生み出される打点には何にも増して代え難い魅力があるのだ。先のドジャース対ブルージェイズのワールドシリーズが典型的だ。第3戦で延長十八回の激闘に終止符を打ったのはフリーマンのサヨナラ本塁打。第7戦でドジャースが土俵際で踏みとどまったのは八回のマンシー、九回のロハスの本塁打だ。そして勝負を決めたのも延長十一回にスミスの放った一発だった。やはりパワーこそ野球の華というべきなのかもしれない。
強いチームに求められるのは、コンタクト率の高い打者と長打力のある強打者の混成ラインアップということになる。=つづく
(米誌コラムニスト=ビリー・デービス)


















