「〇か×か」西本幸雄監督が起こした信任投票事件の内幕とその顛末
「このままではいけない、変わらなければ」という意識がスイッチヒッター挑戦につながったのだろうか。
室内練習場に設置されたピッチングマシンからの球を打ち込む日々。
「一日、4、5時間ぐらい斉藤と二人で打っていたよ。二人で交互に打ったボールを拾ってはカゴに集めて、またマシンに入れてね」
この練習は1ケ月近く続いた。やがて森本の打球は見違えるように鋭くなっていく。それを見ていた西本は声をかけた。
「モリ、お前はもう左打ちは練習しなくていい。右だけでじゅうぶんやっていける」
二人の真冬の特訓に触発されて、他の選手も次々と西本道場に集まった。立大の先輩岡村浩二、年が明けた67年には石井晶、長池徳士、山口富士雄も加わる。西本は選手たちの成長に確かな手応えを感じていた。
67年の開幕戦、森本は二番・サードでスターティングメンバーに抜擢される。
(中村素至/ノンフィクションライター)




















