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春日良一五輪アナリスト

長野県出身。上智大学哲学科卒。1978年に日本体育協会に入る。89年に新生JOCに移り、IOC渉外担当に。90年長野五輪招致委員会に出向、招致活動に関わる。95年にJOCを退職。スポーツコンサルティング会社を設立し、代表に。98年から五輪批評「スポーツ思考」(メルマガ)を主筆。https://genkina-atelier.com/sp/

なぜロシアが「ダメ」で、イスラエルは「いい」のか…軍事行動に対するIOCのダブスタ問題に答えよう

公開日: 更新日:

 だから、いくら国家が悪くてもNOCが五輪憲章にのっとって行動している限り、IOCの制裁を受けることはない。

 だが、オリンピックとなれば、国旗が掲げられ、国歌が流れる。その象徴性ゆえに、選手団は国家の代表のように見える。オリンピック休戦を破ったロシアから選手団を認めることはIOCの存立根拠を失わせることと同義になる。

 ロシアが国家ぐるみのドーピングで制裁を受けた東京五輪2020の時には、ロシアのNOCの名称でロシアNOC旗での参加は認められていた。休戦破りはロシアのNOCも選手も全てを包含したロシア制裁が必要だった。

 イスラエルが軍事行動を継続していることは事実である。しかしそれはイスラエルNOCの行為ではなく、IOCは世界のあらゆる戦争を裁く機関ではない。

 国連がさまざまな紛争や戦争にその都度、事務総長の声明を出すようなことはしない。もしIOCが戦争の正邪をその都度裁き始めれば、オリンピックは瞬時に政治機関へと変質する。それは五輪が国家の道具になり、政争に巻き込まれることと同様になる。

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