(2)松井巨人は“4番とエース乱獲”と決別するか…フェアを貫き目指す「本当の黄金時代」再来
ヤンキースのGM付アドバイザーとして若手育成に従事
松井監督は会見後の取材で、「一軍の監督をやって目標はセ・リーグ優勝と日本一しかないですよ。セ・リーグの優勝で目標の半分、日本一で100%」と答えた。一軍の監督の最大の目標は勝つことだから当然だが、なりふり構わない補強には消極的だろう。
現役引退後はヤンキースのGM付アドバイザーとして若手の育成に携わった。
「メジャーは選手のピラミッドが大きい。その下の方の選手とよく接していましたが、やはり手厚い指導というわけではない。試合で結果を出して生き残る姿を日々、見ていました」
そして松井監督はこうも言っている。
「アドバイスをすることはもちろんありますが、しかし、選手が自分自身で成長できるよう、ただ言ったことを聞くんじゃなくて、自分自身が成長できる環境をしっかりつくっていきたい」
会見の松井監督のコメントそのものが若手育成のスタンスではないか。
人からアドバイスされるだけでは、自分のものにはならない。選手は自分で気付いて初めて成長できる。首脳陣は選手が気付くためのヒントを与えるのが仕事だと、松井監督は考えている。成長するためのヒントは与えるが、何をどうすればいいかは基本的に自分で考え、自力で這い上がってきなさいということだ。
松井監督は会見で「本当の意味での黄金時代はV9以来、来ていないと私自身は思っている」と言った。他球団のエースや4番をかき集めた長嶋終身名誉監督も原辰徳元監督も、黄金時代は築けなかった。
大谷翔平のドジャースですら成し得なかったワールドシリーズ3連覇を達成したのは1998~2000年のヤンキースだった。「悪の帝国」呼ばわりされる大型補強も行ったものの、当時のチームの中心は投手のペティット、リベラ、野手のジーター、バーニー・ウィリアムス、ポサダらの生え抜きだった。彼らが核になり、松井監督がプレーした03~09年もコンスタントに白星を重ねた。松井監督の言う「V9時代の巨人」も同様に中心は生え抜きだった。「黄金時代」を担うのはやはり生え抜きだけに、松井監督が補強と育成を天秤にかけたら真ん中の針は育成に振れるはずだ。(つづく)


















