(2)松井巨人は“4番とエース乱獲”と決別するか…フェアを貫き目指す「本当の黄金時代」再来
2003年夏に発覚した「バルコ・スキャンダル」は世界中に衝撃を与えた。
数多くのアスリートが禁止されている運動能力向上薬物を使用していた事実が発覚したのだ。
バルコ・スキャンダルは当時、巨人の松井秀喜監督(52)がプレーしていたヤンキースも直撃した。翌04年にはメジャー通算440本塁打のジアンビ、09年には同696本塁打のA・ロッドがステロイドの使用を認めた。
トップアスリートの多くが使用していたステロイドは、体に害を及ぼす可能性があるものの、検査で検出されなかったり、検出されにくかったりしたもの。クスリを使って本塁打を量産すれば給料は上がるし、中でもパワーヒッターには魅力的に映ったようだ。米メディア関係者がこう言う。
「大リーグ機構は球団ごとに本格的なドーピング検査を実施した。球団にアトランダムで指名された選手は、検査官の目の前で性器を露出して検尿するという、屈辱的とも言える検査ですが、なぜかゴジラが犠牲になるケースが多かった。確実にシロだと球団が把握していただけに、いけにえにされたと聞きました。ヒドい花粉症なのに、検査で引っかかる成分が入っていたらやっかいだと花粉症の薬も使わなかったくらいですから」
松井監督は現役時代から人一倍、体に気を使っていた。ギョーザを食べる際に既製品のタレを出されると、やんわりと酢と醤油をリクエスト。タレには化学調味料が含まれているだろうし、素材の味を楽しみたかったらしい。
そんな松井監督にあるとき、不届きなマスコミ関係者が、「ステロイドを使わないのは副作用があって体に悪いからですか?」と聞いたそうだ。
すると、間髪を入れずに、「それもあるけど、何よりフェアじゃないでしょう」と答えたという。ルール違反がバレる、バレない以前に、クスリを使って打席に立つこと自体がフェアじゃないという考え方なのだ。
「松井監督は公正で公明正大。たとえルール違反でなくても、道義的に正しくないことについては否定的。このスタンスは戦力補強にも通じるのではないか」
と、さる放送関係者がこう続ける。
「例えば恩師と慕う長嶋終身名誉監督は、ライバル球団の4番打者やエースをこぞって獲得。1993年オフにはFAで中日の4番打者だった落合博満、94年オフには前年まで2年連続リーグ優勝したヤクルトの主軸・広沢克実とハウエルを獲得。同じ94年オフには広島のエースだった川口和久もFAで取っています。ライバル球団の戦力をそいで、なおかつ戦力に加えるこの補強は倍の効果がある。ルール違反ではありませんが、道義的にどうかという声があったのも事実。松井監督は基本的に与えられた戦力でやるスタンスでしょうけど、フロントにライバル球団のエースや4番の補強を打診されたらいい顔はしないと思いますね」


















