臆病だったクマが近年は民家に侵入│「クマの民俗誌」筒井功著
「クマの民俗誌」筒井功著
日本には北海道にのみ分布するヒグマと、本州・四国にだけ生息するツキノワグマがいる。
以前はクマによる被害は、山菜やキノコを採るためにクマの生息圏に入った人たちがクマに出合って引っかかれるというケースだった。ところが令和7年の死傷事故は、道路やスーパーなど人間の生活圏で起きている。その主因はブナの実やドングリの極端な凶作で、クマが冬眠前に人里に餌を求めてくるからである。
クマ狩りの猟師の話では、クマは臆病で、人間の音を聞くと2つも3つも山を越えて逃げていったが、近年は、道路どころか民家の中にまで侵入する。
昭和54年以前にはクマによる死亡事故はなかったという。
民俗研究者がクマの生態を紹介する一冊。
(河出書房新社 2750円)


















