女性初のプロ棋士誕生 藤井聡太が投げかけていた「棋力の担保」という疑問…男女の実力差はなぜ生まれるのか
将棋の西山朋佳女流四冠(31)が10月10日、白玲戦で通算5期目のタイトルを獲得し、女性として初めて棋士になる資格を得ると、26日には将棋会館で記者会見を開き、フリークラス棋士への編入資格を行使することを表明した。資格制度は日本将棋連盟が2025年に新設した制度によるもので、これまで男性しか誕生していなかった棋士への道が、ついに女性にも開かれたことになり、資格行使によって女性棋士の誕生が確定したのだ。
西山は2010年に奨励会に入会。2020年には三段リーグで14勝4敗の好成績を残したが、プロ棋士資格を得られる四段には昇段できなかった。その後、棋士編入試験にも挑戦したが、あと1勝に迫りながら不合格に終わっている。今回の資格獲得と権利行使は、そうした経緯を経て実現したものだ。
■女性同士の対局結果のみで得られる棋士資格
新制度は、女流棋戦の白玲戦で通算5期を獲得した女流棋士に、フリークラスへの編入資格を与えるものだ。従来、棋士になるには奨励会の三段リーグを突破するか、棋士編入試験に合格する必要があった。これに対し、白玲戦は女流棋士が出場するタイトル戦。女性同士の対局結果のみで棋士資格を得られることになる。
この制度をめぐっては、2025年の日本将棋連盟の総会で、藤井聡太(24)現六冠が「棋力の担保は取れているのでしょうか」と発言したと報じられた。女流棋戦での実績が、棋士として必要な実力を保証するものなのか、という疑問だ。
もちろん、この発言だけをもって藤井が女性の棋士誕生に反対していたと断定することはできない。だが、制度の公平性と棋力の評価をめぐる問題を端的に示す発言として、注目を集めた。
■羽生善治・前将棋連盟会長が語っていた女性の競技人口増加
将棋のルールに男女差はない。それでも、これまで女性の棋士は一人も誕生していなかった。しかも西山の獲得ルートは新制度によるものだった。将棋に詳しい週刊誌記者はいう。
「女性のプロ棋士が生まれなかった理由としてよく言われるのは、男女間の競技人口の違いです。競技人口が少なければ、突出した才能が現れる可能性も低い。要するに確率論の問題です。羽生善治・前日本将棋連盟会長(56)は折に触れて、女性の競技人口を増やしたいと話しており、その起爆剤とすべく、今回のルール変更は行われました。
しかし、一部に批判的な声があるのは事実です。西山の棋歴を見れば、彼女が男性棋士と同等の実力の持ち主であることは間違いありません。しかし今回、プロ資格を得られたのは“女性の中で突出して強かったから”です。
奨励会三段リーグには年齢制限があり、これまで数多くの“プロの卵”が、あと1勝で涙をのんできました。また、“救済措置”として編入試験も設けられていますが、西山はこれも突破できなかった。西山は誰よりもその意味を理解しているからこそ、プロ資格を得ても、すぐには資格を行使せず、一度は態度を保留したのではないでしょうか」


















