「サプリメントの正体」田村忠司著

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<サプリメーカー経営者が明かす業界事業>

 発がん性が指摘されながらも規制されていない添加物など、実質的に「汚染」されたも同然の食品が後を絶たない。

 現代人が何かと手にするのがサプリ。最近は「コラーゲンでお肌プリプリ」とか「セサミンで長寿を!」と誘うCMも多い。しかしコラーゲンサプリを摂取しても大半は尿になって出ていくだけ。おまけに飲みやすくするために糖類が添加されていることが多く、糖分のとりすぎで血管や細胞が傷ついたりするのだ。

 また成分表示をじっくり見られないテレビ通販でサプリを買うのは厳禁。1万円のサプリでメーカーの取り分は何と2000円が普通。しかも欠品は絶対悪とされるので最低でも1万本は用意する。こうなると品質を落として薄利多売に走るほかない。みずから医療機関専用サプリのメーカーを経営する著者は、ある通販メーカーから「うちの製品は品質がいまいちだから、お金を投入してマーケティングしなきゃ」と告白されて仰天したものだという。

 しかし本書は単なる告発本ではなく、品質の見分け方から医師への相談法、サプリの飲み合わせなどをていねいに解説している。

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