「格付けしあう女たち」白河桃子氏

公開日: 更新日:

■「一定基準のない複雑怪奇な人間関係、それが女子カーストです」

 ランチタイムにつるんだり、上司への愚痴に花を咲かせたりと、一見仲が良さそうに見える女性たち。しかし、そこには互いに格付けし合う「女子カースト」が存在していた――。男性は知る由もない、そんな女子世界の実態をひもといたのが本書だ。

「男性の場合はどんな集まりであれ、年齢や年収・地位など社会的なことで上下関係が決まりますが、女性はそうじゃない。社会的な成功のほかにも、“女の幸せ”という曖昧なモノサシのダブルスタンダードになっているんですよ。だからママ友、同級生など所属する集団ごとに張り合う項目が変わるうえ、メンバーがリンクしているとさらにややこしくなる。一定基準のない複雑怪奇な人間関係、それが女子カーストです」

 女子カーストの生まれる経緯はこうだ。まず、婚活や職場など所属する人間関係の中で、会話や身なりからステータスを探り合い、仲間かどうかを確認。それから自分のほうがいかに格上か、幸せかを相手に印象づける“マウンティング”で、カースト内順位が決まっていく。マウンティングの対象は、オシャレか、人脈があるか、独身なら恋愛経験や彼氏の有無、既婚なら夫の年収や企業名、はたまた子どもの学校までに及ぶ。

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    やはり進次郎氏は「防衛相」不適格…レーダー照射めぐる中国との反論合戦に「プロ意識欠如」と識者バッサリ

  2. 2

    長嶋茂雄引退の丸1年後、「日本一有名な10文字」が湘南で誕生した

  3. 3

    契約最終年の阿部巨人に大重圧…至上命令のV奪回は「ミスターのために」、松井秀喜監督誕生が既成事実化

  4. 4

    これぞ維新クオリティー!「定数削減法案」絶望的で党は“錯乱状態”…チンピラ度も増し増し

  5. 5

    ドジャースが村上宗隆獲得へ前のめりか? 大谷翔平が「日本人選手が増えるかも」と意味深発言

  1. 6

    「日中戦争」5割弱が賛成 共同通信世論調査に心底、仰天…タガが外れた国の命運

  2. 7

    レーダー照射問題で中国メディアが公開した音声データ「事前に海自に訓練通知」に広がる波紋

  3. 8

    岡山天音「ひらやすみ」ロス続出!もう1人の人気者《樹木希林さん最後の愛弟子》も大ブレーク

  4. 9

    松岡昌宏も日テレに"反撃"…すでに元TOKIO不在の『ザ!鉄腕!DASH!!』がそれでも番組を打ち切れなかった事情

  5. 10

    巨人が現役ドラフトで獲得「剛腕左腕」松浦慶斗の強みと弱み…他球団編成担当は「魔改造次第」