「らんる曳く」佐々木中氏

公開日: 更新日:

■「僕の小説は食える人には食える納豆みたいなもの」

 独特な文体とリズムに気おされる。難解と捉える人もいれば、心をわしづかみにされ、とりこになる人も。

「僕は難しい文章を書いているという意識はまったくない。そもそも万人に読みやすい文体など存在しないし、幻想だと思う。僕からすれば、産経新聞のコラムのほうがよっぽど難解ですよ。『原発が効率のよいエネルギーであることが嘘だとわかり、ウランも輸入に依存している。(中略)だからこそ原発を推進しなければならない』と書いてある。論理が破綻していて意味が分からない。僕の小説のほうが断然読みやすいでしょう?(笑い)」

 主人公は2年前に妻を亡くした男。絶望的な喪失感に苦しみながら「生きることの意味」を体感していく。心情描写はなく、フィジカルな描写が苦しみをより倍増させる。

「内的独白やら心の叫びやらを文字にするなんてくだらない。そういうものを読みたい人は村上春樹百田尚樹をどうぞ。独白では伝わらないようなものがあるはずなんです。これが届く人には届く。食える人には食える。納豆みたいなものなんでしょうね、僕の小説は」

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    バタバタNHK紅白 高視聴率でも今田美桜、有吉弘行らMC陣は負担増「出演者個々の頑張りに支えられた」

  2. 2

    松山千春がNHK紅白を「エコひいき」とバッサリ!歌手の“持ち時間”に求めた「平等」の正当性を考える

  3. 3

    「将軍 SHOGUN」シーズン2も撮影開始 2026年は柄本明、平岳大ら海外進出する日本人俳優に注目

  4. 4

    ロッテ前監督・吉井理人氏が2023年WBCを語る「大谷とダルのリリーフ登板は準決勝後に決まった」

  5. 5

    菊池風磨のカウコン演出に不満噴出 SNS解禁でSTARTO社の課題はタレントのメンタルケアに

  1. 6

    ロッテ前監督・吉井理人氏が佐々木朗希を語る「“返事もしなかった頃”から間違いなく成長しています」

  2. 7

    矢沢永吉ライブは『永ちゃんコール』禁止で対策も…B'z『客の大熱唱』とも通じる“深刻な悩み”

  3. 8

    《国分太一だけ?》「ウルトラマンDASH」の危険特番が大炎上!日テレスタッフにも問われるコンプライアンス

  4. 9

    巨人オーナーから“至上命令” 阿部監督が背負う「坂本勇人2世育成&抜擢」の重い十字架

  5. 10

    現役女子大生の鈴木京香はキャピキャピ感ゼロだった