「ミツバチの会議」トーマス・シーリー著、片岡夏実訳

公開日: 更新日:

■なんと、ミツバチ社会の意思決定は民主主義!

 ミツバチが仲間に情報を伝えるとき、尻を振りながら8の字を描くダンスを行うことは知られている。ここから一歩踏み込み、彼らがどのように集団的な意思決定を行っているかを明らかにするのが、トーマス・シーリー著、片岡夏実訳「ミツバチの会議」(築地書館 2800円)。

 ミツバチ研究の第一人者である生物学者が、ミツバチの生態の中でもとりわけ謎の多い“分蜂”について解き明かしていく。

 分蜂は、初夏に始まる。まず、女王蜂がただ1匹の娘女王を育成する。ある程度まで成長すると、母女王は娘女王に巣を譲り、一部の働き蜂と共に新しい巣作りのために出発する。働き蜂は、木の枝などにコロニーをつくり、母女王蜂を守護しながら新しい巣にふさわしい場所を探すため交代で探索に出かける。

 数百匹にも及ぶ探索蜂は、コロニーに戻るといくつもの候補地について、場所と評価をダンスで仲間たちに伝える。その中から、理想の場所が平等に検討され、もっとも優れた場所に合意がまとまるのだ。

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高市政権の物価高対策「自治体が自由に使える=丸投げ」に大ブーイング…ネットでも「おこめ券はいらない!」

  2. 2

    円安地獄で青天井の物価高…もう怪しくなってきた高市経済政策の薄っぺら

  3. 3

    現行保険証の「来年3月まで使用延長」がマイナ混乱に拍車…周知不足の怠慢行政

  4. 4

    ドジャース大谷翔平が目指すは「来季60本15勝」…オフの肉体改造へスタジアム施設をフル活用

  5. 5

    実は失言じゃなかった? 「おじいさんにトドメ」発言のtimelesz篠塚大輝に集まった意外な賛辞

  1. 6

    佐々木朗希がドジャース狙うCY賞左腕スクーバルの「交換要員」になる可能性…1年で見切りつけられそうな裏側

  2. 7

    【武道館】で開催されたザ・タイガース解散コンサートを見に来た加橋かつみ

  3. 8

    “第二のガーシー”高岡蒼佑が次に矛先を向けかねない “宮崎あおいじゃない”女優の顔ぶれ

  4. 9

    二階俊博氏は引退、公明党も連立離脱…日中緊張でも高市政権に“パイプ役”不在の危うさ

  5. 10

    菊池風磨率いるtimeleszにはすでに亀裂か…“容姿イジリ”が早速炎上でファンに弁明