「ミツバチの会議」トーマス・シーリー著、片岡夏実訳

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 会議は数日にも及ぶことがあるというが、そのプロセスは実に民主的だと本書。日当たりがよく、天敵に襲われにくいなど評価が高い候補地には、他の探索蜂も交代で出かけ、評価をダンスで表明する。一個人が意見を押し通すのではなく、多くの探索蜂が評価に関わることで、多様な視点からの解答を得ることができるというわけだ。

 また、この集団意思決定プロセスにはリーダーが存在しない。女王蜂は傍観者に過ぎず、あくまでも探索蜂の討論によって合意を得る。独裁者の抑圧がない分、完璧な民主主義が貫かれている。

 著者はその正反対の例として、2003年のブッシュ大統領によるイラク侵攻決定を挙げている。円滑で最良の意思決定方法を、ミツバチから学びたい。

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