極上のミステリー特集

公開日: 更新日:

■「柩の中の狂騒」菅原和也著

 ライターの柚木は、孤島に立つ博物館を訪ねるツアーに参加する。博物館には、館長の根室がこれまでに製作した透明標本が展示されていた。分類学者だった根室は、動物の筋肉を透明化し軟骨と硬骨を染色する透明標本の第一人者だったが、違う種類の生物を組み合わせたキマイラの標本や、死産した我が子の遺体を用いた標本「悪魔」などを作ったことにより、学会から追放されていた。ツアーを企画した笹岡によると、今回、根室の「最後の作品」がお披露目される予定だという。しかし、参加者9人が島に到着して数時間後、博物館に併設された密室状態の住居スペースで、首を切断された根室の遺体が見つかる。

 横溝正史ミステリ大賞最年少受賞者による孤島ミステリー。

(KADOKAWA 1700円)

■「出版禁止」長江俊和著

「私」は、知人からある事情によって掲載禁止となったルポルタージュを見せられる。ライターの若橋が執筆したその作品に衝撃を受けた「私」は、4年がかりで出版にこぎつける。

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    農水省「おこめ券」説明会のトンデモ全容 所管外の問い合わせに官僚疲弊、鈴木農相は逃げの一手

  2. 2

    早瀬ノエルに鎮西寿々歌が相次ぎダウン…FRUITS ZIPPERも迎えてしまった超多忙アイドルの“通過儀礼”

  3. 3

    2025年ドラマベスト3 「人生の時間」の使い方を問いかけるこの3作

  4. 4

    武田鉄矢「水戸黄門」が7年ぶり2時間SPで復活! 一行が目指すは輪島・金沢

  5. 5

    松任谷由実が矢沢永吉に学んだ“桁違いの金持ち”哲学…「恋人がサンタクロース」発売前年の出来事

  1. 6

    大炎上中の維新「国保逃れ」を猪瀬直樹議員まさかの“絶賛” 政界関係者が激怒!

  2. 7

    池松壮亮&河合優実「業界一多忙カップル」ついにゴールインへ…交際発覚から2年半で“唯一の不安”も払拭か

  3. 8

    維新の「終わりの始まり」…自民批判できず党勢拡大も困難で薄れる存在意義 吉村&藤田の二頭政治いつまで?

  4. 9

    日本相撲協会・八角理事長に聞く 貴景勝はなぜ横綱になれない? 貴乃花の元弟子だから?

  5. 10

    SKY-HI「未成年アイドルを深夜に呼び出し」報道の波紋 “芸能界を健全に”の崇高理念が完全ブーメラン