怪談で残暑を乗り切ろう編

公開日: 更新日:

 盛りは過ぎたとはいえ、まだまだ猛暑は続くが、そろそろエアコンに頼っていないで、電力の要らない涼み方に切り替えよう。クラシックな方法だが、幽霊や妖怪の力を借りるという風流な涼み方がオススメ。読み終えた後、一瞬、すうっと背筋が寒くなる4冊を紹介する。

 妖怪に出合う旅にいざなってくれるのが、この道の権威で文芸評論家の東雅夫、加門七海の両センセイがまとめた「ぼくらは怪談巡礼団」(KADOKAWA 1400円)だ。

 怪談専門雑誌「幽」の編集長でありながら、霊感ゼロの東編集長、カメラマンMOTOKO、アシスタントU、編集者R、加門のメンバーによる怪談ツアーは泉鏡花の「夜叉ケ池」や柳田國男の「遠野物語」の舞台など、全国を巡り歩くが、東京にも心霊スポットはいくつかある。

<本所七不思議>のひとつが、水中から、釣った魚を置いていけという声がするという〈置いてけ堀〉。その“堀”跡認定地が、商店がひしめく錦糸町駅北側、大横川の公園にある。恐ろしげな雰囲気もなかったが、園内のある一点に近づくと、突然、メンバーに異変が起きた。Uさんがめまいを起こし悲鳴を上げると、続いてMOTOKO氏の悲鳴が聞こえ、なぜか東編集長は激しくよろめき、R氏はうめき声を上げる…。

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    中学受験で慶応普通部に進んだ石坂浩二も圧倒された「幼稚舎」組の生意気さ 大学時代に石井ふく子の目にとまる

  2. 2

    横浜とのFA交渉で引っ掛かった森祇晶監督の冷淡 落合博満さんは非通知着信で「探り」を入れてきた

  3. 3

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  4. 4

    国宝級イケメンの松村北斗は転校した堀越高校から亜細亜大に進学 仕事と学業の両立をしっかり

  5. 5

    放送100年特集ドラマ「火星の女王」(NHK)はNetflixの向こうを貼るとんでもないSFドラマ

  1. 6

    日本人選手で初めてサングラスとリストバンドを着用した、陰のファッションリーダー

  2. 7

    【京都府立鴨沂高校】という沢田研二の出身校の歩き方

  3. 8

    「核兵器保有すべき」放言の高市首相側近は何者なのか? 官房長官は火消しに躍起も辞任は不可避

  4. 9

    複雑なコードとリズムを世に広めた編曲 松任谷正隆の偉業

  5. 10

    中日からFA宣言した交渉の一部始終 2001年オフは「残留」と「移籍」で揺れる毎日を過ごした