映画「ゴジラ」で読み解く日本的な物語の構図

公開日: 更新日:

 今夏公開されたハリウッド映画「GODZILLA」。日本が生み出した最高傑作怪獣・ゴジラの最新版である。出版界ではこれを機に密かなゴジラブームが起こり、ゴジラファン垂涎の秘話・裏話本から、趣向を凝らした切り口で語るゴジラ論など多種多様な関連本が書店に多く並んだ。そこで今回はゴジラへの愛をこめて、厳選4冊をご紹介。

「ゴジラ」を語るとなれば、怪獣の名前やうんちくがあふれ出す……そんなマニアックな印象も強いが、一歩引いた目で日本全体の行く末と重ね合わせる必読のゴジラ本が「ゴジラとナウシカ」(イースト・プレス 1500円)だ。

 著者の赤坂憲雄(民俗学者)は帯でこう説く。「なぜゴジラは、おそろしいのか。なぜなつかしく、切ないのか」と。そして、ゴジラは“さまざまな象徴”であり、極めて日本的な物語の構図を持っている、と。

 1954年に誕生した第1作の「ゴジラ」は、あきらかに「反戦(厭戦)映画」と位置付けていい。水爆によって安住の地を追われ、人類に襲いかかるゴジラは恐るべき水爆や核戦争の象徴だという。

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    カーリング女子フォルティウス快進撃の裏にロコ・ソラーレからの恩恵 ミラノ五輪世界最終予選5連勝

  2. 2

    南原清隆「ヒルナンデス」終了報道で心配される“失業危機”…内村光良との不仲説の真相は?

  3. 3

    契約最終年の阿部巨人に大重圧…至上命令のV奪回は「ミスターのために」、松井秀喜監督誕生が既成事実化

  4. 4

    「対外試合禁止期間」に見直しの声があっても、私は気に入っているんです

  5. 5

    高市政権「調整役」不在でお手上げ状態…国会会期末迫るも法案審議グダグダの異例展開

  1. 6

    円満か?反旗か? 巨人オコエ電撃退団の舞台裏

  2. 7

    不慮の事故で四肢が完全麻痺…BARBEE BOYSのKONTAが日刊ゲンダイに語っていた歌、家族、うつ病との闘病

  3. 8

    箱根駅伝3連覇へ私が「手応え十分」と言える理由…青学大駅伝部の走りに期待して下さい!

  4. 9

    「日中戦争」5割弱が賛成 共同通信世論調査に心底、仰天…タガが外れた国の命運

  5. 10

    近藤真彦「合宿所」の思い出&武勇伝披露がブーメラン! 性加害の巣窟だったのに…「いつか話す」もスルー