「十津川警部 特急「しまかぜ」で行く十五歳の伊勢神宮」西村京太郎著

公開日: 更新日:

 85歳の野々村は、15歳の孫・翔を伴い、近鉄特急「しまかぜ」で生まれ故郷の伊勢に向かう。70年ぶりの帰郷だった。終戦間際、旧制中学4年の野々村たちは、極端な国家主義思想を持つ校長の指示で、竹やりで伊勢神宮を守る訓練を強制された。さらに、アメリカ軍の落下傘部隊の来襲を警戒し、夜間の見張りまでさせられていた。

 昭和20年7月の空襲の際の見張り中、友人の加藤が行方不明になる。その真相を知る野々村は、今回、友人らに真実を打ち明けるつもりだったが、果たせずに故郷を後にする。数日後、野々村の秘密を知っていると思われる人物から脅迫状が届く。

 人気旅情シリーズ最新刊。

(集英社 820円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人がソフトB自由契約・有原航平に「3年20億円規模」の破格条件を準備 満を持しての交渉乗り出しへ

  2. 2

    【時の過ぎゆくままに】がレコ大歌唱賞に選ばれなかった沢田研二の心境

  3. 3

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  4. 4

    国分太一との協議内容を“週刊誌にリーク”と言及…日本テレビ社長会見の波紋と、噴出した疑問の声

  5. 5

    衆院定数削減「1割」で自維合意のデタラメ…支持率“独り負け”で焦る維新は政局ごっこに躍起

  1. 6

    西武にとってエース今井達也の放出は「厄介払い」の側面も…損得勘定的にも今オフが“売り時”だった

  2. 7

    「おこめ券」でJAはボロ儲け? 国民から「いらない!」とブーイングでも鈴木農相が執着するワケ

  3. 8

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  4. 9

    立花孝志容疑者を追送検した兵庫県警の本気度 被害者ドンマッツ氏が振り返る「私人逮捕」の一部始終

  5. 10

    京浜急行電鉄×京成電鉄 空港と都心を結ぶ鉄道会社を比較