米巨大企業の毒牙に蹂躙される日本の農業

公開日: 更新日:

「モンサント」マリー=モニク・ロバン著 村澤真保呂ほか訳(作品社)

 昨年11月の沖縄県知事選挙で現知事の翁長雄志の応援をした菅原文太は、那覇の集会で、「政治の役割は2つあります。ひとつは国民を飢えさせないこと。安全な食べものを食べさせること。もうひとつは絶対に戦争をしないことです」と訴えた。

 その2つともを安倍政権は壊そうとしている。先ごろ、農協のトップが突然辞任したが、安倍が強行しようとしている「農協改革」は農協破壊であり、農業破壊である。農協がTPPに反対しているから、何としても「改革」の名で破壊したいのだ。

 この本のオビには大きく「次の標的はTPP協定の日本だ!」とある。アメリカはTPPを結ばせて、日本に遺伝子組み換え作物を輸入させたい。その先兵として、この「遺伝子組み換え種子の世界一の供給会社」であるモンサントがある。というより、アメリカの政府はこの巨大企業に動かされてTPPを結ばせようとしているのだということが、この本を読むと、よくわかる。つまり、TPPは「安全な食べもの」を安全でなくするのであり、日本がモンサントの毒牙に蹂躙されることになるのだ。

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高市首相が招いた「対中損失」に終わり見えず…インバウンド消費1.8兆円減だけでは済まされない

  2. 2

    実は失言じゃなかった? 「おじいさんにトドメ」発言のtimelesz篠塚大輝に集まった意外な賛辞

  3. 3

    現行保険証の「来年3月まで使用延長」がマイナ混乱に拍車…周知不足の怠慢行政

  4. 4

    長女Cocomi"突然の結婚宣言"で…木村拓哉と工藤静香の夫婦関係がギクシャクし始めた

  5. 5

    「NHKから国民を守る党」崩壊秒読み…立花孝志党首は服役の公算大、斉藤副党首の唐突離党がダメ押し

  1. 6

    国民民主党でくすぶる「パワハラ問題」めぐり玉木雄一郎代表がブチ切れ! 定例会見での一部始終

  2. 7

    ドジャース大谷翔平が目指すは「来季60本15勝」…オフの肉体改造へスタジアム施設をフル活用

  3. 8

    男子バレー小川智大と熱愛報道のCocomi ハイキューファンから《オタクの最高峰》と羨望の眼差し

  4. 9

    長女Cocomiに熱愛発覚…父キムタクがさらに抱える2つの「ちょ、待てよ」リスク

  5. 10

    【武道館】で開催されたザ・タイガース解散コンサートを見に来た加橋かつみ