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■「百田尚樹『殉愛』の真実」角岡伸彦+西岡研介+家鋪渡+宝島「殉愛騒動」取材班・著

 故・やしきたかじんさんを献身的に看病し続けた妻・さくらさんのことを、百田尚樹氏が聖母のごとく描いた「殉愛」は、ベストセラーになったものの、疑惑が多数噴出。「かつてない純愛ノンフィクション」をうたっているものの、さくらさんの証言ばかりが使われ、たかじんさんの長女・H氏や元マネジャーであるK氏らが悪人に仕立て上げられているというものだ。要するに「どこがノンフィクションじゃ、ボケ!」と思われたのである。

 また、さくらさんに重婚疑惑が出たり、百田氏がツイッターで荒ぶる姿もしばしば見られた。揚げ句の果てにはたかじんさんの長女が出版差し止めを求める裁判を起こすなど、書籍の周辺がキナ臭くなったところで百田氏・さくらさんサイドに怒りの海神の三つ又槍を突き刺したのが本書。

「このままではたかじんの名誉も汚される」――とばかりに実力派のノンフィクションライターが、たかじんさんの弟や前妻の証言を引き出し、さらには放送・法曹・出版社・ネットニュースなどの関係者を巻き込み、宝島の編集者が「管制塔」となり一冊の本が誕生した。

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