「人のかたち」岩切徹著
ノンフィクションライターの著者がこれまでに手掛けた人物ルポルタージュを集成した作品集。
男性の演歌歌手がデビューできる機会がまったくない時代にイチかバチかで上京した氷川きよしが、デビューしてヒットを連発。飛ぶ鳥を落とす勢いで全国をコンサートで巡っていた2003年夏の取材では、背水の陣で乗り込んだ事務所の社長に見込まれデビューを果たすまでの舞台裏を関係者らへの取材を交えながら紹介。その他、ちょうど空席だった「美人じゃない、知的じゃない、金がない」という「三ない」の女優の椅子にぴったりと収まり、大女優の地位を確立した泉ピン子など。各界20人(グループ、キャラクターを含む)の生きざまに迫る。(平凡社 2000円+税)