「日本史の森をゆく」東京大学史料編纂所編

公開日: 更新日:

 古代から明治維新期までの日本史史料を収集研究する東京大学史料編纂所に所属する研究者によるアンソロジー。

 例えば室町時代中後期を生きた中級貴族の山科言国の日記「言国卿記」。原本は、書状などの裏面が再利用された「紙背文書」で、明応4(1495)年のある日の紙には能登の武士が妻として公家の息女を望んでいるので紹介してほしいとあり、これにはある没落貴族からの手紙が使われていた。こうした紙背文書を読み解く妙味を紹介する作品をはじめ、正倉院宝物に残る墨書から、聖武天皇の葬列に使われた純金の仏像の正体を推理した一文など、歴史上の人物から市井の暮らしまで、さまざまなテーマでつづられた42作を収録。

(中央公論新社 800円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    元横綱・三重ノ海剛司さんは邸宅で毎日のんびりの日々 今の時代の「弟子を育てる」難しさも語る

  2. 2

    矢沢永吉&甲斐よしひろ“70代レジェンド”に東京の夜が熱狂!鈴木京香もうっとりの裏で「残る不安」

  3. 3

    巨人・岡本和真を直撃「メジャー挑戦組が“辞退”する中、侍J強化試合になぜ出場?」

  4. 4

    “最強の新弟子”旭富士に歴代最速スピード出世の期待…「関取までは無敗で行ける」の見立てまで

  5. 5

    “文春砲”で不倫バレ柳裕也の中日残留に飛び交う憶測…巨人はソフトB有原まで逃しFA戦線いきなり2敗

  1. 6

    【独自】自維連立のキーマン 遠藤敬首相補佐官に企業からの違法な寄付疑惑浮上

  2. 7

    物価高放置のバラマキ経済対策に「消費不況の恐れ」と専門家警鐘…「高すぎてコメ買えない」が暗示するもの

  3. 8

    福島市長選で与野党相乗り現職が大差で落選…「既成政党NO」の地殻変動なのか

  4. 9

    Snow Manライブで"全裸"ファンの怪情報も…他グループにも出没する下着や水着"珍客"は犯罪じゃないの?

  5. 10

    今の渋野日向子にはゴルフを遮断し、クラブを持たない休息が必要です