「子宮頸がん ワクチン事件」斎藤貴男著

公開日: 更新日:

 2009年に日本で子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)が承認されてから13年までに328万人もの少女に接種された。だが、自分の母親さえ分からなくなったり、知能が低下するという重篤な被害も出て積極的な勧奨は中断された。

 ワクチンの効果を高める免疫増強剤が関係しているとの疑いがあるが、科学的に証明されていない。HPVワクチン接種が広まった背景には、子宮頸がんの治療費とワクチン接種のコストパフォーマンスを比較する医療経済学と、政治家へのロビー活動に力を入れるメガファーマの存在がある。

 ワクチンビジネスと日本の医療政策の実態に迫るノンフィクション。

(集英社インターナショナル 1400円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    安青錦の大関昇進めぐり「賛成」「反対」真っ二つ…苦手の横綱・大の里に善戦したと思いきや

  2. 2

    横綱・大の里まさかの千秋楽負傷休場に角界から非難の嵐…八角理事長は「遺憾」、舞の海氏も「私なら出場」

  3. 3

    2026年大学入試はどうなる? 注目は公立の長野大と福井県立大、私立は立教大学環境学部

  4. 4

    東山紀之「芸能界復帰」へカウントダウン着々…近影ショットを布石に、スマイル社社長業務の終了発表か

  5. 5

    「総理に失礼だ!」と小池都知事が大炎上…高市首相“45度お辞儀”に“5度の会釈”で対応したワケ

  1. 6

    大関取り安青錦の出世街道に立ちはだかる「体重のカベ」…幕内の平均体重より-10kg

  2. 7

    日中対立激化招いた高市外交に漂う“食傷ムード”…海外の有力メディアから懸念や皮肉が続々と

  3. 8

    義ノ富士が速攻相撲で横綱・大の里から金星! 学生相撲時代のライバルに送った痛烈メッセージ

  4. 9

    同じマンションで生活を…海老蔵&米倉涼子に復縁の可能性

  5. 10

    独立に成功した「新しい地図」3人を待つ課題…“事務所を出ない”理由を明かした木村拓哉の選択