「世界史で読み解く現代ニュース〈宗教編〉」池上彰、増田ユリヤ著

公開日: 更新日:

「イスラム国でシーア派のモスクは全て破壊されていますが、キリスト教の教会は残っています。イスラム国ではキリスト教徒もユダヤ教徒も人頭税さえ払えば、認められています。これはかつてのオスマン帝国のやり方と同じです」(池上氏)

 世界の宗教地図も大きく塗り替わりつつある。中国ではなんとカトリック教徒が増加傾向だという。

「中国ではいま貧困層と富裕層の間でキリスト教が広まっています。貧困層は救いを求めて。富裕層は裕福になっても何かむなしさを感じていて、西洋文化に触れる中で心のよりどころを求めて」(増田氏)

 一方で、欧州では若者のキリスト教離れが進み、米国では黒人がイスラム教徒に改宗する動きも。

「イスラム教徒の人口が増え、2030年にはキリスト教徒に並ぶのではないかとみられています」(池上氏)

 無宗教とされる日本人には理解しにくいテーマだからこそ、勉強しがいがある。(ポプラ社 780円+税)

▽いけがみ・あきら 1950年長野県生まれ。慶応大卒。NHKに記者として入局。94年から05年まで「週刊こどもニュース」のお父さん役。05年に独立。12年から東工大教授。

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    自信なくされたら困るから? 巨人・田中将大がカブス戦登板「緊急回避」の裏側

  2. 2

    ニデック永守重信会長の堪忍袋の緒が切れる? 「売上高4兆円」達成に不可欠な牧野フライスの買収が難航中

  3. 3

    巨人・田中将大の早期二軍落ちに現実味…DeNA二軍の「マー君攻略法」にさえなす術なし

  4. 4

    巨人阿部監督が見切り発車で田中将大に「ローテ当確」出した本当の理由とは???

  5. 5

    茨城県知事の異常な県政を朝日も毎日も報じない不思議…職員13人が自殺?重大事件じゃないか!

  1. 6

    立憲民主党の凋落は自民党以上に深刻…参院選改選組が国民民主党に露骨なスリ寄り

  2. 7

    小芝風花&松坂桃李は勝ち組、清野菜名は貧乏クジ…今期ドラマ「トップコート」所属俳優の泣き笑い

  3. 8

    阿部寛「滑舌問題」はクリアできそうだが…新日曜劇場『キャスター』で国民的俳優が試される“唯一の心配事”

  4. 9

    浜田雅功の休養の裏で着々と進む松本人志との"今夏ダウンダウン完全復帰計画"…プラットフォームに本腰

  5. 10

    誰トク?広がる地方私大の公立化…見送られた千葉科学大は「加計学園」が運営撤退も大学存続