「沖縄の米軍基地 『県外移設』を考える」高橋哲哉著

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 沖縄の米軍基地の県外移設を主張する論考。

 日本は琉球併合以降、辺野古新基地建設の強行にいたるまで、一貫して沖縄を自己利益のために利用してきたと批判。日米安保体制・自衛隊・憲法9条の3点セットで成り立ってきた戦後日本の平和は、沖縄を犠牲とすることで初めて可能だったのではないかと問いかけ、沖縄を利用し、犠牲にしてきた「本土」側の責任を考える。沖縄に米軍基地が集中する歴史と構造を改めて振り返り、基地を巡るさまざまな言説を読み解き、日本人に広がる無意識的な沖縄差別・植民地主義の浸透を指摘。安全保障の代価を沖縄に押し付けず、今こそ基地の県外移設を真剣に考えるべきだと説く。(集英社 720円+税)

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