「明仁天皇と平和主義」斉藤利彦著

公開日: 更新日:

 今春、太平洋戦争の激戦地パラオ諸島ペリリュー島を訪問するなど、天皇と皇后は即位以来、一貫して戦争の惨禍と向き合い、追悼と慰霊の旅を重ねてきた。その姿は、戦争の記憶を絶対に忘れてはならないという信念を身をもってあらわしてきたといえる。

 その信念がどのように形作られてきたのか、平和を希求する天皇の自己形成の道程をたどる考察書。

 少年時代に将来の天皇としてあるべき姿を強制される中で芽生えたと思われる「非権力性への志向」をはじめ、終戦後に採用されたアメリカ人女性家庭教師の影響、「平和の同志」となる皇后との出会いなど、苦悩と模索を続けながら「象徴天皇」としての理念と行動を実現していくその歩みの原動力に迫る。(朝日新聞出版 760円+税)

【連載】新書あらかると

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    TBS「ラヴィット!」の“テコ入れ”に不評の嵐! グダグダぶりを楽しむ独自性損失で視聴者離れ加速危機

  2. 2

    「おい、おまえ、生意気なんだよ」 野村監督は俺の挨拶を“ガン無視”、暴れたろうかと考えた

  3. 3

    「オールスター感謝祭」で“ブチギレ説教” …島崎和歌子は今や「第2の和田アキ子」の域

  4. 4

    NHK朝ドラ「風、薫る」巻き返しを阻む“最大のネック”…見上愛&上坂樹里Wヒロインでも苦戦中

  5. 5

    米国とイランが2週間の停戦合意も日本は存在感ゼロ…お粗末すぎた高市外交を識者「完全失敗」とバッサリ

  1. 6

    スピードスケート引退・高木美帆にオランダが舌なめずり “王国復権の切り札”として白羽の矢

  2. 7

    高市政権が非情の“病人切り捨て”強行で大炎上! 高額療養費見直し「患者の意向に沿う」は真っ赤なウソ

  3. 8

    ブチ切れ高市首相が「誤報だ!」連発 メディア、官邸、自民党内…渡る政界は「敵ばかり」の自業自得

  4. 9

    JFAは森保一氏の“囲い込み”に必死 W杯後の「次の日本代表監督」のウワサが聞こえない謎解き

  5. 10

    『エニイ・タイム・アット・オール』1964年のジョンのギターを聴くだけで元気が出る