「プラットフォーム」ミシェル・ウエルベック著 中村佳子訳

公開日: 更新日:

 父親の遺産を手にした40歳のミシェルは、バカンスを申請して、ツアー旅行でタイに向かう。文化省に勤務しているが仕事にも情熱を抱けず、人生を諦めているミシェルにとって、観光は二の次で、旅に求めるのはフェラチオとすてきなセックスがおまけについた清廉なボディーマッサージだけ。しかし、旅が進む中、同じツアーに単身で参加しているヴァレリーに次第に心が奪われていく。旅の終わり、柄にもなくミシェルはヴァレリーにパリでの再会を求める。パリに戻り、快楽をむさぼり合うようにセックスを重ねる2人は、売春ツアーを企画するが……。

 ベストセラー「素粒子」の著者が、現代の愛と性を描いた問題作。(河出書房新社 1200円+税)



【連載】文庫あらかると

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    3年連続MVP大谷翔平は来季も打者に軸足…ドジャースが“投手大谷”を制限せざるを得ない複雑事情

  2. 2

    自民党・麻生副総裁が高市経済政策に「異論」で波紋…“財政省の守護神”が政権の時限爆弾になる恐れ

  3. 3

    立花孝志容疑者を"担ぎ出した"とやり玉に…中田敦彦、ホリエモン、太田光のスタンスと逃げ腰に批判殺到

  4. 4

    最後はホテル勤務…事故死の奥大介さん“辛酸”舐めた引退後

  5. 5

    片山さつき財務相“苦しい”言い訳再び…「把握」しながら「失念」などありえない

  1. 6

    ドジャースからWBC侍J入りは「打者・大谷翔平」のみか…山本由伸は「慎重に検討」、朗希は“余裕なし”

  2. 7

    名古屋主婦殺人事件「最大のナゾ」 26年間に5000人も聴取…なぜ愛知県警は容疑者の女を疑わなかったのか

  3. 8

    阪神異例人事「和田元監督がヘッド就任」の舞台裏…藤川監督はコーチ陣に不満を募らせていた

  4. 9

    高市内閣支持率8割に立憲民主党は打つ手なし…いま解散されたら木っ端みじん

  5. 10

    《もう一度警察に行くしかないのか》若林志穂さん怒り収まらず長渕剛に宣戦布告も識者は“時間の壁”を指摘