著名人の具体例で解き明かすきょうだい不仲の原因

公開日: 更新日:

 きょうだいとは、誰よりも近く、親しく、同じ境遇を分かち合って育つもの。しかし時には、競争相手となり、比較対象となり、無自覚のコンプレックスが中高年になってから顕在化することもある。

 岡田尊司著「きょうだいコンプレックス」(幻冬舎 840円+税)では、著名人のきょうだいの例を交えながら、精神科医である著者がきょうだいコンプレックスの問題について斬り込んでいく。

 きょうだい間の問題はさまざまな状況で生まれるが、もっとも大きな要因をつくるのが親という存在だ。

 先ごろ、某大手家具店のお家騒動がマスコミを賑わせたが、そこにはきょうだいコンプレックスも見え隠れした。父親側には長男が付いた一方、長女には残りの他のきょうだいが付いた。これは、父の考えを従順に受け入れることで可愛がられてきた長男に対する反発が、他のきょうだいの間で共有されていたためと考えられる。

 実は、自分が主役でなければ気が済まない自己愛が強い親ほど、従順な子供を可愛がる。意思を持たず思い通りになる子供の存在は、自己肯定につながるためだ。そして自己愛が強い親にとってもっとも許せない存在が、自分の意思をしっかりと持つ子供。自己愛が強い親の子育ては理不尽であることが多く、そこに生まれたきょうだいは例外なく仲が悪くなると本書。

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    立花孝志氏はパチプロ時代の正義感どこへ…兵庫県知事選を巡る公選法違反疑惑で“キワモノ”扱い

  2. 2

    タラレバ吉高の髪型人気で…“永野ヘア女子”急増の珍現象

  3. 3

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  4. 4

    中山美穂さんの死を悼む声続々…ワインをこよなく愛し培われた“酒人脈” 隣席パーティーに“飛び入り参加”も

  5. 5

    《#兵庫県恥ずかしい》斎藤元彦知事を巡り地方議員らが出しゃばり…本人不在の"暴走"に県民うんざり

  1. 6

    シーズン中“2度目の現役ドラフト”実施に現実味…トライアウトは形骸化し今年限りで廃止案

  2. 7

    兵庫県・斎藤元彦知事を待つ12.25百条委…「パー券押し売り」疑惑と「情報漏洩」問題でいよいよ窮地に

  3. 8

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 9

    大量にスタッフ辞め…長渕剛「10万人富士山ライブ」の後始末

  5. 10

    立花孝志氏の立件あるか?兵庫県知事選での斎藤元彦氏応援は「公選法違反の恐れアリ」と総務相答弁