「地名の楽しみ」今尾恵介著

公開日: 更新日:

 地名の奥深い世界を解説したコラム集。

 河岸段丘の崖を昔の人は「ハケ」や「ママ」と呼んだ。漢字伝来以前からそう呼ばれたため、多摩川沿いの羽ケ下(羽村市)や、八ケ下(日野市)などのようにさまざまな字が当てられた。一方、上と下がペアになった地名は、「京都に近い方に上の字をつけた」と思われがちだが、実際は同じ流域の上流側か下流側(標高の上下)の違いだという。その他、粕壁と表記されていた地名が春日部(埼玉県)に改められた背景や、江戸時代に駕籠を作る職人が集まっていたという神田北乗物町など職業にまつわる地名など、その由来を読み解くだけでなく、近代以降の変遷や地名の構造まで幅広く教授。(筑摩書房 860円+税)


最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  2. 2

    中学受験で慶応普通部に進んだ石坂浩二も圧倒された「幼稚舎」組の生意気さ 大学時代に石井ふく子の目にとまる

  3. 3

    さすがチンピラ政党…維新「国保逃れ」脱法スキームが大炎上! 入手した“指南書”に書かれていること

  4. 4

    ドジャース「佐々木朗希放出」に現実味…2年連続サイ・ヤング賞左腕スクーバル獲得のトレード要員へ

  5. 5

    ギャラから解析する“TOKIOの絆” 国分太一コンプラ違反疑惑に松岡昌宏も城島茂も「共闘」

  1. 6

    中日からFA宣言した交渉の一部始終 2001年オフは「残留」と「移籍」で揺れる毎日を過ごした

  2. 7

    有本香さんは「ロボット」 どんな話題でも時間通りに話をまとめてキッチリ終わらせる

  3. 8

    巨人は国内助っ人から見向きもされない球団に 天敵デュプランティエさえDeNA入り決定的

  4. 9

    放送100年特集ドラマ「火星の女王」(NHK)はNetflixの向こうを貼るとんでもないSFドラマ

  5. 10

    佐藤輝明はWBC落選か? 大谷ジャパン30人は空前絶後の大混戦「沢村賞右腕・伊藤大海も保証なし」