「新選組と刀」伊東成郎著

公開日: 更新日:

「今宵、虎徹は血に飢えている」という名ぜりふで知られた近藤勇の佩刀(はいとう)・虎徹については諸説がある。虎徹には偽物が多く、一流の刀工・山浦清麿の打った刀に虎徹の偽銘を入れたものを売りつけられたとも、将軍家からの拝領刀だともいわれている。だが伏見の戦いで肩を銃で撃たれた近藤は、徳川慶喜が兵を捨てて大阪から逃げ出したことに失望し、虎徹を手放したと伝えられる。虎徹は後に明治政府の官僚として活躍した金子堅太郎が手に入れ、関東大震災で焼けてしまったが、打ち直して銘刀の姿を取り戻した。

 他に土方歳三が愛した会津の銘刀・和泉守兼定など、新選組ゆかりの刀について検証した一冊。(河出書房新社 1600円+税)





最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人がソフトB自由契約・有原航平に「3年20億円規模」の破格条件を準備 満を持しての交渉乗り出しへ

  2. 2

    長瀬智也が国分太一の会見めぐりSNSに“意味深”投稿連発…芸能界への未練と役者復帰の“匂わせ”

  3. 3

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  4. 4

    元TOKIO松岡昌宏に「STARTO退所→独立」報道も…1人残されたリーダー城島茂の人望が話題になるワケ

  5. 5

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  1. 6

    西武にとってエース今井達也の放出は「厄介払い」の側面も…損得勘定的にも今オフが“売り時”だった

  2. 7

    立花孝志容疑者を追送検した兵庫県警の本気度 被害者ドンマッツ氏が振り返る「私人逮捕」の一部始終

  3. 8

    日吉マムシダニに轟いた錦織圭への歓声とタメ息…日本テニス協会はこれを新たな出発点にしてほしい

  4. 9

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  5. 10

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…