「黒面の狐」三津田信三著

公開日: 更新日:

 満州の建国大学で学んだ物理波矢多は建国大学の理念が満州の農民に伝わっていなかったことに衝撃を受け、終戦後、炭坑夫の合里という男に出会い、九州の炭坑に入る。ある日、坑内で落盤事故が発生し、合里が逃げ遅れた。ガス中毒の危険があるため救援に入れない。

 そんなとき、炭鉱住宅でしめ縄で首を吊った死体が発見された。近くで遊んでいた子どもが黒い顔の狐が入って行くのを見たが、部屋は密室になっていて狐は姿を消した。その後、炭坑夫が同じ死に方をする事件が続き、坑内で不慮の死を遂げた者は黒い狐になるという迷信に炭鉱中がおびえるが……。

 戦後の炭鉱を舞台にしたミステリー。(文藝春秋 1800円+税)


最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    世良公則氏やラサール石井氏らが“古希目前”で参院選出馬のナゼ…カネと名誉よりも大きな「ある理由」

  2. 2

    国分太一が社長「TOKIO-BA」に和牛巨額詐欺事件の跡地疑惑…東京ドーム2個分で廃墟化危機

  3. 3

    浜田省吾が吉田拓郎のバックバンド時代にやらかしたシンバル転倒事件

  4. 4

    “お荷物”佐々木朗希のマイナー落ちはド軍にとっても“好都合”の理由とは?

  5. 5

    「いま本当にすごい子役」2位 小林麻央×市川団十郎白猿の愛娘・堀越麗禾“本格女優”のポテンシャル

  1. 6

    幼稚舎ではなく中等部から慶応に入った芦田愛菜の賢すぎる選択…「マルモ」で多忙だった小学生時代

  2. 7

    「徹子の部屋」「オールナイトニッポン」に出演…三笠宮家の彬子女王が皇室史を変えたワケ

  3. 8

    TOKIO解散劇のウラでリーダー城島茂の「キナ臭い話」に再注目も真相は闇の中へ…

  4. 9

    新横綱・大の里の筆頭対抗馬は“あの力士”…過去戦績は6勝2敗、幕内の土俵で唯一勝ち越し

  5. 10

    フジテレビ系「不思議体験ファイル」で7月5日大災難説“あおり過ぎ”で視聴者から苦情殺到