「限りなく完璧に近い人々」マイケル・ブース著、黒田眞知訳

公開日: 更新日:

 英国の大学の「人生の幸福度指数」調査でデンマークが1位になった。国家の富の配分を分析するジニ係数は北欧諸国で最下位で、平等な社会とはいえないし、基本税率はなんと42%。だが「人生がつらい」と考えている人はたったの1%しかいない。彼らは本気で世界で一番幸福な国民だと考えているわけではなく、多くのものを失った激動の歴史ゆえに手に入れたものに対して感謝する、つまり期待値が低いためではないのか。

 デンマーク国民の幸福とはわれわれの「幸せ」とは別物で、自分の置かれた立場に満足することのようだ。北欧の人々の人生観に学ぶ、示唆に満ちた本。(KADOKAWA 2200円+税)


最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  2. 2

    岡山天音「ひらやすみ」ロス続出!もう1人の人気者《樹木希林さん最後の愛弟子》も大ブレーク

  3. 3

    西武にとってエース今井達也の放出は「厄介払い」の側面も…損得勘定的にも今オフが“売り時”だった

  4. 4

    ドジャース大谷翔平32歳「今がピーク説」の不穏…来季以降は一気に下降線をたどる可能性も

  5. 5

    (5)「名古屋-品川」開通は2040年代半ば…「大阪延伸」は今世紀絶望

  1. 6

    「好感度ギャップ」がアダとなった永野芽郁、国分太一、チョコプラ松尾…“いい人”ほど何かを起こした時は激しく燃え上がる

  2. 7

    衆院定数削減の効果はせいぜい50億円…「そんなことより」自民党の内部留保210億円の衝撃!

  3. 8

    『サン!シャイン』終了は佐々木恭子アナにも責任が…フジ騒動で株を上げた大ベテランが“不評”のワケ

  4. 9

    ウエルシアとツルハが経営統合…親会社イオンの狙いは“グローバルドラッグチェーン”の実現か?

  5. 10

    今井達也の希望をクリアするメジャー5球団の名前は…大谷ドジャースは真っ先に“対象外"