「死なないつもり」横尾忠則著

公開日: 更新日:

 80歳になった美術家が、創作や老い、人生について語るエッセー集。

 10代の氏は、高校を卒業して郵便屋さんになるつもりだったが、先生に美大を勧められ受験勉強を始めたものの、同じ先生に説得され、前日になって受験をやめ、地元の印刷所に就職したという。主体性もなく、優柔不断に生きてきたが、日本デザインセンターに入社したときだけは運命に逆らった。そんな自らの青春時代を紹介しながら、「自分が何者かなんて、結局は他人が決めること。最近は何者でもよい、運命の女神に任せよう」と語る。

 その他「隠居の本当の意味は好きなことで忙しくすること」など、自然体に生きる氏から発せられる言葉に、凝り固まった心が解きほぐされる。(ポプラ社 800円+税)


最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  2. 2

    ドジャース大谷翔平32歳「今がピーク説」の不穏…来季以降は一気に下降線をたどる可能性も

  3. 3

    「おまえもついて来い」星野監督は左手首骨折の俺を日本シリーズに同行させてくれた

  4. 4

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  5. 5

    巨人大ピンチ! 有原航平争奪戦は苦戦必至で投手補強「全敗」危機

  1. 6

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  2. 7

    衝撃の新事実!「公文書に佐川氏のメールはない」と財務省が赤木雅子さんに説明

  3. 8

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  4. 9

    高市首相が漫画セリフ引用し《いいから黙って全部俺に投資しろ!》 金融会合での“進撃のサナエ”に海外ドン引き

  5. 10

    日本ハムはシブチン球団から完全脱却!エスコン移転でカネも勝利もフトコロに…契約更改は大盤振る舞い連発