年収200万円以下の男性が住みたい街ナンバーワンは秋葉原

公開日: 更新日:

 住みたい街ナンバーワンとして頻繁に紹介される吉祥寺。しかし、その人の価値観やニーズなどによって、住みやすさは大きく変わってくる。一般的なランキングをうのみにして引っ越し先を決めてしまうと、居心地の悪さに苦しめられる恐れもあるので要注意だ。

 三浦展著「あなたにいちばん似合う街」(PHP研究所 1300円+税)では、1都3県に住む男女1500人に調査を敢行。年齢や性別、さまざまなライフスタイル別に、住みたい街とその理由を分析している。

 年収によっても住みたい街は変わるが、男性で年収200万円以下の人たちの住みたい街ナンバーワンは、秋葉原。2位以下は池袋、新宿などの副都心が続き、5位には千葉の幕張、9位に御茶ノ水・神保町がランクインしている。ちなみに10位以内に吉祥寺は入っていない。

 ここから分かるのは、年収の低い男性は会社の近くか、あるいは漫画やアニメに近い街が好まれるということ。秋葉原はもちろん、コミックマーケットが開催される幕張、漫画やサブカル雑誌を探しやすい御茶ノ水・神保町が入っている点からもそれが見て取れる。年収が低いがゆえに、現実の女性よりも二次元に逃避したがるためではないかと本書。

 一方、男性の年収が600万円を超えてくると、住みたい街は横浜みなとみらいを筆頭に、鎌倉、恵比寿、二子玉川に表参道などガラリと変わる。実はこれらの街、20代、30代女性が住みたい街と合致する。ここから分かるのが、男性がこのレベルの年収になると、女性の要望に応えられるようになるということ。また、この地域に住むことで恋人や結婚相手が得やすくもなるわけだ。

 他にも、“生きがいは仕事”と答える男性の割合が多い成城学園、人生の勝ち組になりたいと“とても思う”と答えた人が圧倒的に多い広尾・白金・麻布十番、コーヒーを豆から入れる人の割合が多い武蔵小杉など、街ごとの特徴なども紹介。自分に合った引っ越し先の参考になるのはもちろん、マーケティングにも役立ちそうだ。

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人がソフトB自由契約・有原航平に「3年20億円規模」の破格条件を準備 満を持しての交渉乗り出しへ

  2. 2

    【時の過ぎゆくままに】がレコ大歌唱賞に選ばれなかった沢田研二の心境

  3. 3

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  4. 4

    国分太一との協議内容を“週刊誌にリーク”と言及…日本テレビ社長会見の波紋と、噴出した疑問の声

  5. 5

    衆院定数削減「1割」で自維合意のデタラメ…支持率“独り負け”で焦る維新は政局ごっこに躍起

  1. 6

    西武にとってエース今井達也の放出は「厄介払い」の側面も…損得勘定的にも今オフが“売り時”だった

  2. 7

    「おこめ券」でJAはボロ儲け? 国民から「いらない!」とブーイングでも鈴木農相が執着するワケ

  3. 8

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  4. 9

    立花孝志容疑者を追送検した兵庫県警の本気度 被害者ドンマッツ氏が振り返る「私人逮捕」の一部始終

  5. 10

    京浜急行電鉄×京成電鉄 空港と都心を結ぶ鉄道会社を比較