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「走狗」伊東潤著

 薩摩藩の士分の下の外城士の家に生まれた川路利良は、禁門の変で長州藩遊撃隊総督を討つという大手柄を立てた。褒美を辞退し、その代わりに江戸留学を願い出て、洋式兵学を学ぶ。利良は子どもの頃、御小姓組の西郷吉之助に助けられて以来、西郷を慕っていたが、ある日、その西郷から命令を受けて幕臣の勝麟太郎の元に向かった。勝は、朝廷を脅し京都の実権を握ろうとする幕府の動きを大久保に伝えよと命じる。利良はやがて明治政府の権力闘争に巻き込まれ、西郷を裏切って大久保につくのだが……。

 西郷と大久保の走狗として仕え、初代警視庁長官となって警察組織を創設した男の一代記。(中央公論新社 1700円+税)

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