「源氏姉妹」酒井順子氏

公開日: 更新日:

 著者の言う通り、男にとっても学びの多い本作。たとえば、源氏はやりたい盛りの17歳の頃、父の兄弟の妻で7歳年上の未亡人、六条御息所にちょっかいをかけた。最初は冷たくあしらっていた彼女だが、やがて源氏に陥落。

あの方の言葉で、指で、そして舌で、身体のすべてを褒められ続けることが、私にとっては快感となったのです〉と、女性の喜びを爆発させている。

 しかしこの六条御息所、源氏に対する執着は相当なもので、自分以外の相手に生き霊を飛ばしてとりつくという荒業をやってのけている。さらに、36歳で死してなお、その嫉妬心は衰えなかった。

「あるとき源氏は、最愛の人ともいえる紫上に、昔の女たちの悪口を言います。“さまざまな女と付き合ってきたが、おまえが一番だ”と言いたいがための、男性にとっては“ピロートークあるある”なのかもしれません。しかし、言われた昔の女はたまったものではない。六条御息所は“もののけ”となって蘇り、紫上にとりつきます。世の男性の皆さんも、昔の女の話などしないに越したことはありませんよ」

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    松井秀喜氏タジタジ、岡本和真も困惑…長嶋茂雄さん追悼試合のウラで巨人重鎮OBが“異例の要請”

  2. 2

    7代目になってもカネのうまみがない山口組

  3. 3

    巨人・田中将大と“魔改造コーチ”の間に微妙な空気…甘言ささやく桑田二軍監督へ乗り換えていた

  4. 4

    福山雅治のフジ「不適切会合」出席が発覚! “男性有力出演者”疑惑浮上もスルーされ続けていたワケ

  5. 5

    打者にとって藤浪晋太郎ほど嫌な投手はいない。本人はもちろん、ベンチがそう割り切れるか

  1. 6

    文春が報じた中居正広「性暴力」の全貌…守秘義務の情報がなぜこうも都合よく漏れるのか?

  2. 7

    DeNA藤浪晋太郎がマウンド外で大炎上!中日関係者が激怒した“意固地”は筋金入り

  3. 8

    収束不可能な「広陵事件」の大炎上には正直、苛立ちに近い感情さえ覚えます

  4. 9

    横浜・村田監督が3年前のパワハラ騒動を語る「選手が『気にしないで行きましょう』と…」

  5. 10

    吉村府知事肝いり「副首都構想」に陰り…大阪万博“帰宅困難問題”への場当たり対応で露呈した大甘な危機管理