「ハイド」ダニエル・ルヴィーン著、羽田詩津子訳

公開日:  更新日:

 ロバート・ルイス・スティーブンソンによって1886年に刊行された古典的名著「ジキル博士とハイド氏」。ある人間が、善を象徴するジキル博士から悪を象徴するハイド氏に変身するというストーリーは、その斬新なアイデアが多くの人を引きつけ、長年読み継がれてきた。本書は、この「ジキル博士とハイド氏」を元本に、悪役を押し付けられているハイド側の視点からストーリーを構築し直した物語。

 著者は、高校や大学でクリエーティブライティングを教える傍ら、本作でデビューを果たしたコロラド州ボルダー在住の新進作家だ。

 本書では、ジキル側の告白では見えてこなかったジキルの生い立ちや恋愛、ジキルがふたつの人格を必要とした理由がつづられ、途中、殺人事件が引き起こされるまでの経緯も明らかにされる。ロンドンの街で誰にもいえない秘密を抱えている主人公の中で、どんな葛藤が起こっていたのか、その精神の深淵をのぞき込むような読書体験ができる。(KADOKAWA 2000円+税)

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

最新のBOOKS記事

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    女が嫌いな女3位 伊藤綾子が暗示する“におわせメッセージ”

  2. 2

    突然の引退劇…貴乃花親方“お涙頂戴会見”のウソ八百<上>

  3. 3

    悪いのは告発女性? バナナ日村「淫行」同情論への違和感

  4. 4

    安倍首相が怯える 近畿財務局“森友キーマン”証人尋問Xデー

  5. 5

    ファン心配…築地「吉野家1号店」営業終了で店長はどこへ

  6. 6

    突然の引退劇…貴乃花親方“お涙頂戴会見”のウソ八百<下>

  7. 7

    メジャーGMも視察 加熱する菊池雄星争奪戦“禁じ手”の恐れ

  8. 8

    大坂なおみが目指すWTAファイナル “超VIP待遇”の仰天全貌

  9. 9

    スワロフスキー7500個「100万円ベビーカー」の乗り心地は

  10. 10

    「黄昏流星群」も フジドラマ放送前に打ち上げ続々のワケ

もっと見る