「ハイド」ダニエル・ルヴィーン著、羽田詩津子訳

公開日: 更新日:

 ロバート・ルイス・スティーブンソンによって1886年に刊行された古典的名著「ジキル博士とハイド氏」。ある人間が、善を象徴するジキル博士から悪を象徴するハイド氏に変身するというストーリーは、その斬新なアイデアが多くの人を引きつけ、長年読み継がれてきた。本書は、この「ジキル博士とハイド氏」を元本に、悪役を押し付けられているハイド側の視点からストーリーを構築し直した物語。

 著者は、高校や大学でクリエーティブライティングを教える傍ら、本作でデビューを果たしたコロラド州ボルダー在住の新進作家だ。

 本書では、ジキル側の告白では見えてこなかったジキルの生い立ちや恋愛、ジキルがふたつの人格を必要とした理由がつづられ、途中、殺人事件が引き起こされるまでの経緯も明らかにされる。ロンドンの街で誰にもいえない秘密を抱えている主人公の中で、どんな葛藤が起こっていたのか、その精神の深淵をのぞき込むような読書体験ができる。(KADOKAWA 2000円+税)

【連載】週末に読みたいこの1冊

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    萩本欽一〈48〉73歳で駒沢大学に入学、就活に悩む同級生にした「木彫り名人」の話

  2. 2

    萩本欽一〈47〉気仙沼ちゃんは民宿4軒経営の大女将に 説教してテレビで夫を募集させた甲斐があった

  3. 3

    阿部慎之助にした「今ならパワハラで即クビ」の指導&落合博満から学んだ仰天トレーニング

  4. 4

    モグライダーともしげが埼玉の中高一貫ミッションスクール聖望学園で打ち込んだアメフト《26年夏番外編》

  5. 5

    やっぱりか? 自民・村井国対委員長が高市首相「国会逃避作戦」画策…予算委出席「原則不要」案をリポスト

  1. 6

    萩本欽一〈46〉斉藤清六が泣きながら持ってきた1000万円、追い返そうと思って貯金額を聞いたら驚いた

  2. 7

    郊外に住むという選択肢 「都心から1時間」の狙い目エリア

  3. 8

    植田日銀シルバーウイーク前の「円高誘導」は大失敗…もはや為替介入はできない

  4. 9

    広島4番栗原に敵将・落合監督は「四球でいい」と助言を…

  5. 10

    高市首相の日米首脳会談「蜜月アピール」は突っ込みどころ満載…トランプ大統領は「心ここにあらず」