「教養としての社会保障」香取照幸著

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 著者は厚労省の年金局長、雇用均等・児童家庭局長などを歴任。介護保険法、国民年金法、男女雇用機会均等法等を担当、内閣官房内閣審議官として「社会保障・税一体改革」を取りまとめている。本書は、「ミスター年金」といわれた元厚労省の官僚が、社会保障制度の成り立ちから問題点、改革の方向などを詳細に論じたもの。

 一般の人にとって、社会保障といわれてもその全体像はあまり理解ができていない。そこでまず、社会保障と政治や経済との関わりを中心に、「一般教養」としてわかりやすく説明しているのが本書のミソ。また、現在われわれが享受している皆保険、皆年金という制度は世界的に見て極めて特殊であり、この2つが成立し、持続しているのは奇跡的なことだと指摘。しかし、それが崩壊の危機にひんしているのは明らか。

 長期不況、少子高齢化、人口減少などの問題を抱える日本に、今後どのような新たな社会保障制度のモデルがありうるのか。長年、社会保障の現場にいた著者ならではの提言は、傾聴に値する。(東洋経済新報社 1600円+税)

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