暑さ吹っ飛ぶ「最新怪談本特集」

公開日: 更新日:

「山の怪奇 百物語」山村民俗の会編

 梅雨明け前から猛暑の予感を抱かせる今年の夏。早くもクーラー全開の日々が始まったが、たまには昔の人に倣って、暑さを忘れるために怪談を読んでみるのも一興だ。日常と隣り合わせの異界体験や、土地土地に伝わる妖怪伝説に思わず背筋も凍る5冊を紹介する。

 山登りの愛好家らが集まる歴史ある民俗研究会の会員による寄稿集。いにしえのイベント「百物語」のように、それぞれが山に関するとっておきの奇譚を披露する。

 かつて秘境中の秘境といわれた奥那須の男鹿岳。その山頂近くにかつて安倍貞任が立てこもったと語り伝えられる「安倍ケ城」の館址が、今も残されているといわれる。館址に眠る金鶏の伝説を信じ、山中に姿を消した平吉と、帰らぬ許嫁を捜して山へ分け入った早百合の物語(奥那須安倍ケ城の怪)をはじめ、黒部奥山の「猫又」や、立山の「姥ケ石」などの地名にまつわる伝説を紹介する「北アルプスの怪異伝説」など。日本各地の山という異界を舞台にした19作を収録。(河出書房新社 1200円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ヤクルト村上宗隆と巨人岡本和真 メジャーはどちらを高く評価する? 識者、米スカウトが占う「リアルな数字」

  2. 2

    大山悠輔が“巨人を蹴った”本当の理由…東京で新居探し説、阪神に抱くトラウマ、条件格差があっても残留のまさか

  3. 3

    中山美穂さんの死を悼む声続々…ワインをこよなく愛し培われた“酒人脈” 隣席パーティーに“飛び入り参加”も

  4. 4

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  5. 5

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  1. 6

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  2. 7

    豊作だった秋ドラマ!「続編」を期待したい6作 「ザ・トラベルナース」はドクターXに続く看板になる

  3. 8

    巨人・岡本和真の意中は名門ヤンキース…来オフのメジャー挑戦へ「1年残留代」込みの年俸大幅増

  4. 9

    悠仁さまは東大農学部第1次選考合格者の中にいるのか? 筑波大を受験した様子は確認されず…

  5. 10

    中山美穂さんが「愛し愛された」理由…和田アキ子、田原俊彦、芸能リポーターら数々証言