暑さ吹っ飛ぶ「最新怪談本特集」

公開日: 更新日:

「里山奇談」coco、日高トモキチ、玉川数著

 虫好きは、自分の専門に「屋」をつけて「蝶屋」「蛾屋」と称する。虫だけに限らず、好きな生き物と出合うために野山を出かけてゆく人種を総じて「生き物屋」と呼ぶそうだ。本書は、そんな生き物屋たちの山での不思議な体験を集めた奇談集。

 蜘蛛屋の川満さんが、知り合ったヤマセミ屋の神内さんに誘われ、夜の観察会に参加してみると、一行は瞬く間に夜陰に紛れて見えなくなってしまう。

 神内氏によると、彼らが戻る姿を見たことがないという。毎月1回必ず無人駅の前に集まる彼らを追ってきた神内氏は、自分が幽霊を見ているのか確かめたくて川満さんを誘ったらしい。(「観察会」)

 その他、蛾屋だった亡妻の霊と信じる白蛾と暮らす男の話(「白蛾」)など40余話を収録。(KADOKAWA 1400円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    有本香さんは「ロボット」 どんな話題でも時間通りに話をまとめてキッチリ終わらせる

  2. 2

    今秋ドラフト候補が女子中学生への性犯罪容疑で逮捕…プロ、アマ球界への小さくない波紋

  3. 3

    NHK「昭和16年夏の敗戦」は見ごたえあり 今年は戦争特別番組が盛りだくさん

  4. 4

    市船橋(千葉)海上監督に聞く「高校完全無償化で公立校の受難はますます加速しませんか?」

  5. 5

    綾瀬はるか3年ぶり主演ドラマ「ひとりでしにたい」“不発”で迎えた曲がり角…女優として今後どうする?

  1. 6

    プロ志望の健大高崎・佐藤龍月が左肘手術経てカムバック「下位指名でものし上がる覚悟」

  2. 7

    中山美穂「香典トラブル」で図らずも露呈した「妹・忍」をめぐる“芸能界のドンの圧力”

  3. 8

    石破首相が「企業・団体献金」見直しで豹変したウラ…独断で立憲との協議に自民党内から反発

  4. 9

    長渕剛がイベント会社に破産申し立て…相次ぐ不運とトラブル相手の元女優アカウント削除で心配な近況

  5. 10

    ドジャース佐々木朗希“ゴリ押し”ローテ復帰が生む火種…弾き出される投手は堪ったもんじゃない