「名馬を読む」江面弘也著
1980年まで存在したクモハタ記念に名を残す名馬クモハタは、1936年、宮内省の下総御料牧場で生まれた。
四肢の脚元が白く、額から鼻筋にかけて白い“流星”が流れる「四白流星」といわれる相だが、これは馬相学では凶相で、「四白に名馬なし」といわれていた。そのクモハタを一目見て「不世出の名馬だ」と直感して買ったのが、平凡社から独立して非凡閣という出版社を起こした加藤雄策だった。ダービーの前日、クモハタは肩を痛め、食欲もなかったが、ダービーに勝てる馬だと確信した加藤は出走を決め、そして、クモハタは勝った!
他にハイセイコーなど、競馬をますます面白くしてくれる名馬32頭の物語。(三賢社 1700円+税)