「超能力微生物」小泉武夫著

公開日: 更新日:

 肥沃な水田の土1グラム中には最大43億個もの細菌が生息しているという。地球の細菌、カビ、酵母などの微生物の数は天文学的数値となり、その種類も正確には分からないそうだ。中には、地上40キロの成層圏や、水深6500メートルの深海、アルミニウムも溶けるような濃硫酸にも耐える微生物がいる。こうした過酷な環境に耐えられる菌体構造と生理作用を身につけてきた微生物を「超能力微生物」と名付け、その正体に迫るサイエンスエッセー。

 中国の肉の発酵食品の中から見つかった動物性の脂を植物性の油に変えてしまう微生物など、超能力微生物の知られざる能力を紹介しながら、エネルギーや環境、食糧問題など、人類が直面する課題を解決に導く彼らの可能性にも言及。(文藝春秋 800円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人がソフトB自由契約・有原航平に「3年20億円規模」の破格条件を準備 満を持しての交渉乗り出しへ

  2. 2

    【時の過ぎゆくままに】がレコ大歌唱賞に選ばれなかった沢田研二の心境

  3. 3

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  4. 4

    国分太一との協議内容を“週刊誌にリーク”と言及…日本テレビ社長会見の波紋と、噴出した疑問の声

  5. 5

    衆院定数削減「1割」で自維合意のデタラメ…支持率“独り負け”で焦る維新は政局ごっこに躍起

  1. 6

    西武にとってエース今井達也の放出は「厄介払い」の側面も…損得勘定的にも今オフが“売り時”だった

  2. 7

    「おこめ券」でJAはボロ儲け? 国民から「いらない!」とブーイングでも鈴木農相が執着するワケ

  3. 8

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  4. 9

    立花孝志容疑者を追送検した兵庫県警の本気度 被害者ドンマッツ氏が振り返る「私人逮捕」の一部始終

  5. 10

    京浜急行電鉄×京成電鉄 空港と都心を結ぶ鉄道会社を比較