「横浜大戦争」蜂須賀敬明著
ランドマークタワー68階のレストランに小田原、鎌倉などの土地神が集まった。
人口が増えているのに中心が定まらず過労状態だった横浜の大神は、他の神にそそのかされて「中心を決めてしまえばいいのだ!」と気づき、横浜大戦争の幕開けを宣言する。
横浜ナンバーワンの土地神を決めることを知った保土ケ谷の神は、みなとみらいや中華街、山手といった知名度の高い地区を擁する西や中とやりあっても勝ち目はないと考える。保土ケ谷なんてあまり知られていないからだ。弟の旭の神が情報を集めようと港北区や緑区に近づくと視界がぼやける。どうやら結界が張られているらしい。
土地神の闘いを描く奇想天外なエンターテインメント。
(文藝春秋 1800円+税)