「手を洗いすぎてはいけない」藤田紘一郎著

公開日: 更新日:

 日本人は感染症への対応力が衰えてきた結果、自然では生きられない家畜化した状態になっている。日本で、春や夏など季節外れのインフルエンザが流行するのはその証拠だという。

 その原因になっているのが行き過ぎた予防策。手洗いも流水で10秒だけで十分なのに、せっけんで入念に洗ったうえで、アルコール消毒までするいまのやり方は、かえって肌を傷め、手を「汚くする」という。人間の免疫組織に影響を与えるアレルギーの新薬を投与すると、がんになった例なども紹介。西洋医学に頼り過ぎるよりも自身の免疫力をアップさせることを考えた方がいい、と主張する。

 日本人の清潔第一主義の健康観に警告を発し続けている著者の新刊。健康好きな人にぜひ読んでほしい一冊だ。(光文社新書 780円+税)



最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    松任谷由実が矢沢永吉に学んだ“桁違いの金持ち”哲学…「恋人がサンタクロース」発売前年の出来事

  2. 2

    ヤクルト「FA東浜巨獲得」に現実味 村上宗隆の譲渡金10億円を原資に課題の先発補強

  3. 3

    どこよりも早い2026年国内女子ゴルフ大予想 女王候補5人の前に立ちはだかるのはこの選手

  4. 4

    「五十年目の俺たちの旅」最新映画が公開 “オメダ“役の田中健を直撃 「これで終わってもいいと思えるくらいの作品」

  5. 5

    「M-1グランプリ2025」超ダークホースの「たくろう」が初の決勝進出で圧勝したワケ

  1. 6

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  2. 7

    福原愛が再婚&オメデタも世論は冷ややか…再燃する「W不倫疑惑」と略奪愛報道の“後始末”

  3. 8

    早大が全国高校駅伝「花の1区」逸材乱獲 日本人最高記録を大幅更新の増子陽太まで

  4. 9

    匂わせか、偶然か…Travis Japan松田元太と前田敦子の《お揃い》疑惑にファンがザワつく微妙なワケ

  5. 10

    官邸幹部「核保有」発言不問の不気味な“魂胆” 高市政権の姑息な軍国化は年明けに暴走する