セシウムの体内取り込みを抑える「菊芋」に注目!

公開日: 更新日:

 今年の3月で東日本大震災から7年が経つ。しかし、福島第1原発は“アンダーコントロール”などとはとてもいえない状況の上、安倍政権は食品の放射能検査項目の削減や、8000ベクレル/キログラム以下の汚染廃棄物を全国の一般清掃工場で焼却できるようにするなど、やりたい放題だ。

 この国で健康に生きていくためには、自分の身は自分で守るしかない。大和田幸嗣著「放射能に負けないレシピと健康法」(緑風出版 1000円+税)では、理学博士であり長年にわたり細胞がん化のメカニズムを研究してきた著者が、放射能に負けない体をつくるための食物やデトックスの方法を紹介している。

 白米よりも食物繊維が豊富な玄米には放射性物質の排出を助ける力があるが、食物繊維以上に重要なのが玄米に含まれるフィチン酸という成分。金属封鎖作用を持つキレート剤としての役割を果たすため、ストロンチウムやセシウムを捕捉して排出してくれるという。

 ただし、玄米のぬか層には放射能が蓄積しやすいため、産地は厳選したい。さらに玄米から、ぬか層を1割削った一分づき米を選ぶのがいいと本書。食物繊維やビタミンB1・Eなどは減少するものの、一分づき米であればフィチン酸は100%保持されているためだ。

 チェルノブイリ原発事故汚染地域であるベラルーシでも注目されている野菜が菊芋だ。何しろ菊芋という作物自体が放射能を吸収しない安全な野菜である他、100グラム当たりのカリウム濃度がさまざまな作物の中でトップクラス。体内のカリウム濃度が高いと、放射性セシウムが体内に取り込まれにくくなるという。でんぷんの代わりに含まれるイヌリンという多糖類も、腸の免疫力を高めて放射能に対抗するのに役立つ。

 菊芋は生でも食べられるため千切りにしてサラダなどに加えてもいい。すりおろして生クリームや野菜ダシとともに煮込み、クリーミーなポタージュスープにするのもおすすめだ。

 体内のセシウム濃度を下げるリンゴの皮を使ったペクチンペーストのレシピや、汚染地域で増加する不整脈を予防するオメガ3系脂肪酸の効果的な取り方なども紹介。あらためて放射能汚染に対抗する術を身に付けたい。

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    農水省「おこめ券」説明会のトンデモ全容 所管外の問い合わせに官僚疲弊、鈴木農相は逃げの一手

  2. 2

    早瀬ノエルに鎮西寿々歌が相次ぎダウン…FRUITS ZIPPERも迎えてしまった超多忙アイドルの“通過儀礼”

  3. 3

    2025年ドラマベスト3 「人生の時間」の使い方を問いかけるこの3作

  4. 4

    武田鉄矢「水戸黄門」が7年ぶり2時間SPで復活! 一行が目指すは輪島・金沢

  5. 5

    松任谷由実が矢沢永吉に学んだ“桁違いの金持ち”哲学…「恋人がサンタクロース」発売前年の出来事

  1. 6

    大炎上中の維新「国保逃れ」を猪瀬直樹議員まさかの“絶賛” 政界関係者が激怒!

  2. 7

    池松壮亮&河合優実「業界一多忙カップル」ついにゴールインへ…交際発覚から2年半で“唯一の不安”も払拭か

  3. 8

    維新の「終わりの始まり」…自民批判できず党勢拡大も困難で薄れる存在意義 吉村&藤田の二頭政治いつまで?

  4. 9

    日本相撲協会・八角理事長に聞く 貴景勝はなぜ横綱になれない? 貴乃花の元弟子だから?

  5. 10

    SKY-HI「未成年アイドルを深夜に呼び出し」報道の波紋 “芸能界を健全に”の崇高理念が完全ブーメラン