「呪術」初瀬礼著
物語のキーワードは「アルビノ」。メラニンが先天的に欠乏する遺伝子疾患がある個体を指し示している。日本語では白子と呼ばれる人々のことだ。
ツアーコンダクターの麻衣はモロッコで突然テロに巻き込まれる。その後、男たちに襲われていたアルビノの少女ケイコを助ける。麻衣は身寄りのないケイコを伴って帰国するが、魔の手は東京にも迫っていた。
サハラ以南に残る「アルビノの肉は、幸運や富をもたらす」という迷信を逆手にとって、それを商売にする呪術師の一味に再び襲撃されたのだ。ケイコの肉を執拗に追い求める襲撃者。やがて知ることになるマギオカと呼ばれる呪術師の正体とは?
現代によみがえった悪魔との死闘を描くサスペンス。(新潮社 1800円+税)