「世界を変えた暦の歴史」谷岡一郎著

公開日: 更新日:

 暦が人類の社会誕生のプロセスに果たした役割を解説した歴史読み物。

 暦登場以前、人々はまず月のサイクルに注目。月の変化が潮の満ち引きなどに関連していることが分かり、食物の採集や漁などのリズムを変えていった。やがて月が約12回満ち欠けを繰り返すくらいのサイクルで太陽の昇る位置が変化し、季節が変わることにも気がつく。定住化が進み、農業が始まると、さらにそのサイクルに敏感になっていった。およそ5000年前の古代エジプトでは、既に1年を「365日と4分の1」して、それが農業の発展に大きく寄与したという。

 天文学によってその基礎が構築された集団生活が、暦の出現によって社会へと変化し、社会の発展がより正確な暦を生み出していく過程を詳述。(PHP研究所 680円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    清原和博氏が巨人主催イベントに出演決定も…盟友・桑田真澄は球団と冷戦突入で「KK復活」は幻に

  2. 2

    安青錦の大関昇進めぐり「賛成」「反対」真っ二つ…苦手の横綱・大の里に善戦したと思いきや

  3. 3

    99年シーズン途中で極度の不振…典型的ゴマすりコーチとの闘争

  4. 4

    実は失言じゃなかった? 「おじいさんにトドメ」発言のtimelesz篠塚大輝に集まった意外な賛辞

  5. 5

    日銀を脅し、税調を仕切り…タガが外れた経済対策21兆円は「ただのバラマキ」

  1. 6

    巨人今オフ大補強の本命はソフトB有原航平 オーナー「先発、外野手、クリーンアップ打てる外野手」発言の裏で虎視眈々

  2. 7

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  3. 8

    林芳正総務相「政治とカネ」問題で狭まる包囲網…地方議員複数が名前出しコメントの大ダメージ

  4. 9

    国分太一が「世界くらべてみたら」の収録現場で見せていた“暴君ぶり”と“セクハラ発言”の闇

  5. 10

    角界が懸念する史上初の「大関ゼロ危機」…安青錦の昇進にはかえって追い風に?