「国家の教育支配がすすむ」寺脇研著

公開日: 更新日:

 2015年、安倍政権教育委員会制度の改変をもくろんで新教育委員会制度を発足させた。自治体の首長の権限を増大させ、「教育、学術及び文化の振興に関する総合的な施策の大綱」を首長が定めることにしたのである。

 また、従来は教育委員長は委員による互選で選ばれ、教育委員会事務局の長である教育長は委員の中から教育委員会が任命していた。それを、教育委員長職を廃止し、教育長を、教育委員会及び事務局の長の権限をもつ責任者として首長が直接任命することにした。

 この拙速な「改革」の背景には橋下徹らポピュリズム的人気をもつ首長の存在がある。「ゆとり教育」を推進した元文部官僚による政治家の教育への不当な介入への批判の書。(青灯社 1600円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    気温50度の灼熱キャンプなのに「寒い」…中村武志さんは「死ぬかもしれん」と言った 

  3. 3

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  4. 4

    巨人阿部監督はたった1年で崖っぷち…阪神と藤川監督にクビを飛ばされる3人の監督

  5. 5

    (4)指揮官が密かに温める虎戦士「クビ切りリスト」…井上広大ら中堅どころ3人、ベテラン2人が対象か

  1. 6

    U18日本代表がパナマ撃破で決勝進出!やっぱり横浜高はスゴかった

  2. 7

    日本ハム・レイエスはどれだけ打っても「メジャー復帰絶望」のワケ

  3. 8

    志村けんさん急逝から5年で豪邸やロールス・ロイスを次々処分も…フジテレビ問題でも際立つ偉大さ

  4. 9

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋

  5. 10

    (2)事実上の「全権監督」として年上コーチを捻じ伏せた…セVでも今オフコーチ陣の首筋は寒い