「国家の教育支配がすすむ」寺脇研著

公開日: 更新日:

 2015年、安倍政権教育委員会制度の改変をもくろんで新教育委員会制度を発足させた。自治体の首長の権限を増大させ、「教育、学術及び文化の振興に関する総合的な施策の大綱」を首長が定めることにしたのである。

 また、従来は教育委員長は委員による互選で選ばれ、教育委員会事務局の長である教育長は委員の中から教育委員会が任命していた。それを、教育委員長職を廃止し、教育長を、教育委員会及び事務局の長の権限をもつ責任者として首長が直接任命することにした。

 この拙速な「改革」の背景には橋下徹らポピュリズム的人気をもつ首長の存在がある。「ゆとり教育」を推進した元文部官僚による政治家の教育への不当な介入への批判の書。(青灯社 1600円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    福原愛が再婚&オメデタも世論は冷ややか…再燃する「W不倫疑惑」と略奪愛報道の“後始末”

  2. 2

    「年賀状じまい」宣言は失礼になる? SNS《正月早々、気分が悪い》の心理と伝え方の正解

  3. 3

    「五十年目の俺たちの旅」最新映画が公開 “オメダ“役の田中健を直撃 「これで終わってもいいと思えるくらいの作品」

  4. 4

    放送100年特集ドラマ「火星の女王」(NHK)はNetflixの向こうを貼るとんでもないSFドラマ

  5. 5

    国民民主党・玉木代表「ミッション・コンプリート」発言が大炎上→陳謝のお粗末…「年収の壁」引き上げも減税額がショボすぎる!

  1. 6

    どこよりも早い2026年国内女子ゴルフ大予想 女王候補5人の前に立ちはだかるのはこの選手

  2. 7

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  3. 8

    「M-1グランプリ2025」超ダークホースの「たくろう」が初の決勝進出で圧勝したワケ

  4. 9

    「核兵器保有すべき」放言の高市首相側近は何者なのか? 官房長官は火消しに躍起も辞任は不可避

  5. 10

    楽天が変えたい「18番は田中将大」の印象…マエケンに積極譲渡で“背番号ロンダリング”図る