「シノン 覚醒の悪魔」ダン・T・セールベリ著、吉田薫訳
エリックは、別荘に招いた友人から、以前、妻のハンナを死のふちに追い込んだウイルスが再び息を吹き返し、感染が広がっていると聞き、青ざめる。システム工学博士のエリックが開発した「マインドサーフ」を介してハンナの体内に入ったコンピューターウイルス「モナ」を起源とする生物学的ウイルス「NCoLV」は、宿主の体内で遭遇した他のウイルスの遺伝子を取り込み、変異のたびに致死率を上げているようだ。ストックホルムにある感染症予防研究所の委託を受けたクリオノルディック社が、ワクチン開発のためハンナの血の提供を求めてくる。
モサドの女諜報員やイスラム過激派スパイなどが入り乱れ、ワールドワイドに展開する社会派エンターテインメント。
(小学館 900円+税)