「本のエンドロール」安藤祐介著

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 主人公は印刷会社の営業部に籍を置く浦本学。彼は就活生を前にした説明会で「印刷会社はメーカーです」と言ったことで、周りからひんしゅくを買ってしまう。

 ある日、浦本が無理な進行の割り込み作業を印刷工場に頼んだところ、作業員で同僚の野末に「おまえは客の言葉を伝えるだけの伝書バトだ」と激怒され、険悪なムードに。さらに、印刷機が故障でストップ。機械を休ませて点検する時間さえあれば、起こらなかったトラブルだった。

 浦本は自責の念に駆られながらも、立ち寄った出版社で編集者からある小説の刊行を2カ月早めたいと頼まれ、再び請け負ってしまう……。

 紙媒体の部数が落ち込む中、“本をつくる”という夢に向かって進む印刷会社のさまざまな部門で働く人々を描いた長編小説。 (講談社 1650円+税)

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